有責配偶者からの離婚訴訟を棄却させた事件

夫が離婚を望み、別居したうえで、離婚調停や訴訟を起こしてきた事件で、婚姻費用を申し立て、離婚請求を棄却させた事例

性別:女性
年代:20代
婚姻歴:3年
子ども:2人
職業:会社員

担当弁護士:
城戸

背景

夫が離婚を希望し、実家に帰ってから、生活費も払ってもらえないので、たいへん困っていらっしゃいました。
他の弁護士に相談しても、離婚をすすめられるだけで適切なアドバイスを得られず、途方にくれていらっしゃいました。

相談内容と弁護士対応

DVや浮気等が存在するとのことでしたので、念のため、離婚を勧めましたが、子どものために離婚は考えていないとのことでした。
現在の日本の裁判所の運用では、同居を強制することは現実的ではないため、まずは生活費を確保したうえで、夫が実家から帰ってくる方法を探ろうとの方針を決定しました。
いきなり婚姻費用分担調停をおこすことにより、感情の対立が大きくなり、復縁の可能性が低くなっては困るので、まずはお手紙で復縁と婚姻費用のお支払いをお願いし、不払いが続くようであれば分担調停をせざるをえないとお伝えしました。
そうしたところ、相手が離婚調停を起こしてきたので、当初の予定を早めて婚姻費用分担調停を起こしました。

結果

調停で婚姻費用を確保したうえで、離婚調停を不調にさせました。
相手が起こしてきた離婚訴訟の中で、相手の暴力等を立証し、婚姻関係は未だ破綻していないため、離婚は認められないとの認定を勝ち取り、相手の離婚請求を棄却させました。

コメント

弁護士から見ると、あらゆる理由から離婚を勧めたくなる状況でした。
そこで、離婚をしない方向で手続きを進めつつ、ご本人と婚姻を続ける意思は堅いのか、何度も確認しました。
ですが、最後までご本人は婚姻の継続を望んだので、訴訟では、夫にその思いが伝わるような尋問をこころがけました。
事件終了後、今後の復縁に向けてどう動いたらよさそうかについてアドバイスさせていただきました。


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