不倫の慰謝料について

第1 不倫されたあなたへ

 1 不倫相手に対する慰謝料について

パートナーが不倫した場合、離婚したかどうかにかかわらず、あなたは、不倫相手に対し慰謝料を請求することができます。

裁判で認められる金額は、婚姻期間、不倫を開始した際の相手の婚姻関係に対する認識、パートナーの不倫相手に対する言動、不倫の時期、回数、態様、不倫が存在していた時期における夫婦関係の状態、不倫が夫婦関係に与えた影響、不倫相手の年収等によって大きく異なります。

過去の裁判例よると、離婚した場合の慰謝料は、30万円~600万円の範囲内で認められているようです。

離婚した場合の慰謝料金額は、不倫以外に離婚の原因が存在しない場合には高くなり、不倫以外に離婚の原因が存在する場合は低くなる傾向があります。

一方、過去の裁判例によると、離婚しない場合の不倫の慰謝料は、10万円~220万円の範囲内で認められているようです。

なお、不倫相手に対する慰謝料請求権は、あなたが不倫に気づいてから3年以内に相手に慰謝料を請求しない場合、消滅時効にかかります。

そのため、パートナーの不倫から長年経って慰謝料を請求したいと思っても、回収は難しいといえます。

離婚すると不倫相手に対する慰謝料は上がる傾向がありますが、離婚すると生活環境が大きく変わるため、不倫を原因に離婚したほうがいいかどうかは、慎重に考えるべきです。

当事務所では、ご相談者様のご希望を丁寧に聞き取り、本当に離婚した方がいいか親身になってアドバイスしております。

安易に離婚する方向に動き出してしまってからでは、なかなか後戻りできません。

具体的に行動を起こす場合に、ぜひ、ご相談いただければと思います。

なお、仮に、肉体関係を証明できる証拠がない場合でも、配偶者のある異性との交際として社会通念上許される限度を超えていた場合や婚姻関係を破綻させるに至らせる蓋然性のある行為と認められる場合には慰謝料請求できます。証拠がないからといってあきらめるず、お気軽にご相談ください。

 2 不倫したパートナーに対する慰謝料について

あなたが結婚生活の維持を望む場合、裁判所を通じて、パートナーに対する多額の慰謝料を勝ち取ることは現実的ではありません。

この場合、今後の家庭における夫婦間の力関係を変えられるのが関の山です。

一方、あなたが、不貞を原因として離婚を決断した場合、パートナーに対して、慰謝料を請求することができます。

この場合の慰謝料額も、婚姻期間、不倫の時期、回数、態様、不倫が存在していた時期における夫婦関係の状態、不倫が夫婦関係に与えた影響、パートナーの年収等によって異なります。

裁判所は、一般的に、100万円~500万円の範囲内で、パートナーの支払能力も参考に決定している例が多いようです。

なお、不倫を原因とする慰謝料請求は、あなたが不倫に気付いてから3年以内にパートナーに請求しない限り、残念ながら、消滅時効にかかってしまいます。

また、いったん、不倫を許して夫婦生活を長年重ねた場合、昔の不倫を原因として慰謝料を請求しても、残念ながら、不倫は慰謝料を決定するうえで重視されません。

そのため、不倫を原因に離婚した方がいいかどうかは、ご相談者様のおかれた状況によって大きく異なります。

お一人で悩むことなく、まずは、ご相談ください。

第2 結婚していながら不倫してしまったあなたへ

 1 まだ夫婦生活が破たんしていない場合

パートナーが結婚生活の維持を望まれている場合、幸い、パートナーが裁判所を通じて、あなたに対し、多額の慰謝料を請求してくることは現実的にありえません。

最悪、パートナーがあなたの不倫に気付いたとしても、一度あなたの不倫を許した後、3年経ってから離婚に至った場合、慰謝料額は、すぐに離婚に至った場合に比べ、低くなる傾向があります。

多額の慰謝料の支払いに苦しまないため、これを機会に、まずは、良好な家庭生活を維持される努力を重ねることが重要です。

仮に、残念ながら、パートナーとの関係がうまくいっていない場合には、即座に離婚という結論を回避するため、できることを探る必要があります。

取り返しがつかない事態になる前に、お早めに夫婦関係についてご相談いただくことをおすすめいたします。

2 離婚の可能性が濃厚な場合

最悪、離婚が避けられそうにない場合、慰謝料額をできるだけ抑えるため、お早めにご相談ください。

不倫に至ってしまう方の中には、不倫という形での現実逃避をするに至った事情や、不倫を始める前に夫婦関係が破たんしていたといえる状況が存在する場合があります。

そのような場合には、それらを丁寧に主張立証することによって、慰謝料額をできるだけ抑えることができます。

当事務所には、不倫した場合について、不倫に逃げざるを得なかった事情を丁寧に主張立証することによって、慰謝料額を支払い可能な金額まで抑えた実績がございます。

そのような活動に重要なのは、比較的早い段階からご相談いただくことです。

お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

第3 既婚者と不倫してしまったあなたへ

不倫相手のパートナーから、ある日突然、慰謝料請求の内容証明郵便が届くケースが増えています。

裁判所は、請求してきた人物の婚姻期間、不倫を開始した際のあなたの婚姻関係に対する認識、あなたと相手との不倫の時期、期間、回数、態様、不倫が存在していた時期における夫婦関係の状態、不倫が夫婦関係に与えた影響等を根拠として、あなたの支払能力を参考にしながら、10万円~500万円の範囲内で、慰謝料額を決定しているようです。

状況によっては、不倫に関する事情をうまく主張立証することにより、慰謝料額を下げることができます。

お一人で悩むことなく、まずは、お気軽にご相談ください。