離婚調停における陳述書の書き方のコツ

1 はじめに

離婚調停は,夫婦間で離婚の話し合いができないとき,まとまらないときに,

裁判所に間に入ってもらって,離婚するかしないか,また,するとしたらどのような条件で離婚するのかなどを話し合う手続きです。

家庭裁判所での手続をする中で、陳述書というものの提出を求められることがあります。

この陳述書はどのように書けばよいのでしょうか。

陳述書の書き方のコツを見ていきましょう。

 

2 離婚調停の手続

離婚調停は、裁判所で調停期日をくりかえし行い、最終的に,話がまとまれば調停成立となります。

まとまらなければ、調停は不成立となるか、裁判所が、審判をするのが相当と認めたときに,不成立とせずに,審判をすることもあります。

審判期日では、離婚調停を申し立てた人(「申立人」といいます)と申し立てられた人(「相手方」といいます)が交互に部屋に入り、

調停委員に自分の言い分を伝えたり、調停委員をとおして相手の言い分を聞いたりします。

 

3 陳述書の役割

調停期日の中で、調停委員に話を伝える中で、これまでの事情や言い分などをすべて口頭で伝えきるのは難しい部分があります。

結婚生活が長かったり、離婚したい理由が複雑であるほど、事情の説明に時間がかかり、

調停期日の中で、経緯の説明も十分にできないまま終わってしまっては、調停の期間が長引いてしまうでしょう。

次の調停期日までに陳述書を提出することにより調停委員に事前に言い分を分かってもらうことで、

次の調停期日では、時間を効率的に使うことができるようになります。

また、離婚調停の申立書の申し立ての趣旨、動機の欄はかなり小さいので,

とてもこれまでの経緯や自分の希望を書き切れないことが多いと思います。

そのような時に、「陳述書」を作成して、調停委員と相手に、これまでの経緯や最終的な希望を書くことで、調停員に自分の意思をしっかり伝えることができます。

陳述書には文字数の制限などもありませんので、自分で整理した主張をしっかりと主張することができます。

そのため、申立時に陳述書を出しておけば、調停委員にも調停が始まる前から、事情を伝えることができるので、調停がスムーズに進むことが多いです。

 

4 陳述書の書き方

陳述書には、特に決められた形式はありません。

手書きでの作成も可能ですが、何度も推敲して書き直すことになると思いますのでパソコンで作成するのがよいでしょう。

パソコンで作成した方が、他の人が読みやすいというメリットもあります。

また、字数や枚数にも制限はありません。

紙のサイズは、他の書類と統一してA4にしましょう。

いくら字数制限や枚数制限がないからといって、感情的にだらだら書いてしまうと、かえって読みにくい文章にります。

また、客観的に物事をみることのできない人として、調停委員に悪い印象を持たれるかもしれません。

一般的には、書面の題名は「陳述書」とし、作成年月日を記載します。

○○家庭裁判所(○○支部)○○係御中との宛先を書くことが多いです。

内容としては、結婚してからの生活状況や離婚を決意するまでの経緯、

別居後の生活状況、最終的に自分がどうしたいのかなどを記載することになります。

離婚したい原因が暴力・暴言などの場合には、その事実を書くだけではなく、

それを裏付ける証拠として、診断書や録音テープの反訳書などをつけるとよいでしょう。

 

5 まとめ

陳述書が、離婚調停の進行にとって重要な役割をもつことをおわかりいただけましたか。

とはいえ、自分で書いていくうちに、どのように書けばよいのか分からないところがでてきて、

やはりプロにしっかり書いてもらいたいという場合も出てくるでしょう。

そのような場合はすぐに弁護士にご相談いただければと思います。