不倫相手との交渉を上手に進めるためのポイント
夫もしくは妻の不倫が発覚したとき、解決のために不倫相手と話し合いを行うことがあります。この話し合いを法的には「示談交渉」といいます。示談交渉の内容次第で慰謝料の金額などが変わってきます。では、できるだけ有利に示談交渉を進めるにはどうしたら良いのでしょうか。示談交渉の流れと共に解説します。
不倫相手との示談交渉!その流れは?
精神的にはかなり辛いかもしれませんが、示談交渉は不倫問題を解決するための第一歩です。そこで、不倫相手との示談交渉に向けた準備を整えましょう。
不倫の証拠を持参する
示談交渉を始める時点で、不倫相手が不倫を認めている場合は、厳密にいうと証拠はいりません。しかし、証拠があれば示談交渉を有利に進められることが多いです。そのため、不倫を認めている場合であっても、何らかの証拠を持参することをお勧めします。
実際に不倫相手と会う
不倫相手と会うときは、できることなら静かで落ち着いた場所を指定するようにしましょう。自宅やカフェ、バーなどで、長時間滞在しても迷惑にならない場所が好ましいです。
このとき、一人で会いに行くもの、誰かに付き添ってもらうかも自由です。が、話し合いの席上感情的になってしまいそうなのであれば信頼できる第三者に同席してもらうといった方法も考えられます。利害関係のない信頼できる第三者の存在は、感情的な判断を下しそうになったとき、抑止力になりますからね。
示談交渉(慰謝料請求)を行う
口頭でも構わないのですが、できれば慰謝料請求書を作成して、相手に渡すのが良いでしょう。ただし、不倫相手の経済状況によって請求金額は変動しますから、落ち着いて交渉しなくてはなりません。
ポイントは、相場よりもやや高めに慰謝料を設定し、そこから減額の要望があるようであれば、ある程度応じていくということです。「お互いの歩み寄りによって決まった金額」と印象付けることで、前向きに支払ってもらえるという効果が期待できます。金額面で折り合いがついたら署名、押印してもらい、示談交渉は終了です。
示談交渉を有利に進めるための具体的なポイント
示談交渉は、事実関係の確認と不倫をやめてもらうこと、慰謝料の金額交渉が主な内容になるはずです。このとき、次のようなポイントに気を付けることで、交渉を有利に進められます。
終始丁寧な態度を心がける
相手に100%非があったとしても、自分のパートナーが応じなければ不倫は始まらなかったはずです。そのことを肝に銘じ、一人の大人として恥ずかしくない言動を心がけていきましょう。これは、同伴してもらう人にも同じことが言えます。ここで感情任せに暴言を吐いたり、暴力をふるってしまったりすると、不倫相手に「示談書へのサインを強制された」という言い訳を与えかねません。
自発的なサイン・同意を待つ
書面で慰謝料請求を行う場合、署名や同意、押印を強制してはいけません。ここで無理強いしてしまうと、請求書の効力が無効になることもあり得ます。あくまでも事実関係の確認と、相手方の責任を淡々と確認し、自発的な行動を促すよう配慮しましょう。
一発勝負のつもりで延期しない
不倫相手から「少し考えさせてほしい」と要望があったとしても、「ここで同意しないなら裁判に移行します」などと要望を却下しましょう。ダラダラと回答を延期した挙句、なし崩し的に不倫の事実をうやむやにされる可能性があります。また、場合によっては弁護士を雇って対抗してくることもあるため、毅然とした態度でのぞむべきです。それでも相手が同意しない場合は、法的手段へと移行することになります。
示談交渉のパートナーとしての弁護士
このように不倫相手との示談交渉は、かなりハードです。また、請求書(示談書)の作成や冷静な判断が必要ですから、利害関係がなく感情的にならない第三者の存在が重要な意味を持ちます。知人や友人に仲裁を頼んでも良いのですが、早期解決を望むなら弁護士への依頼を検討しましょう。
弁護士に依頼することで不倫相手に自分の覚悟や本気具合が伝わり、有利に交渉を進められる可能性が高まります。裁判に発展する可能性もゼロではありませんから、出来るだけ早い段階で弁護士に相談するのが良いでしょう。